2015年9月17日に発売されたファッションバイヤーのMB氏の1作目の書籍「最速でおしゃれに見せる方法」とブックレビューを紹介させていただきます。単なる薄っぺらいムック本ではない、内容と説得力に一貫性がある総ページ数239ページの良書となっています。本書を読み内容を理解する際、ファッションセンスやファッションに関する予備知識は一切必要ないです。頭でっかちになれるおしゃれウンチクなどはほどんとなく、読者目線で読みやすい文章と文字の大きさとなっています。高級ブランドのアイテム、高価なアクセサリー、レアなスニーカーなどは紹介されていません。1作目の本書は決して商業的ではない、タイアップ無しのMB氏のセンスを文章化した良書となっています。外見に気を使いだした中学生から40代まで応用できるGod Meets Fashionが推薦するコーディネートの指南書です。
MB氏のおしゃれ指南を実践して得られる効果
大学デビュー、東京・原宿デビュー、オフ会デビュー、合コンデビューする場合、ヤケドはしない服装が出来ます。決して容姿端麗ではなくても、MB氏の法則に則れば雰囲気イケメンになれます。
社会人になってファッションに興味が薄れても、揺るがないコーディネートの基礎知識として役に立つ内容となっています。キリッとしたスーツ姿とイケてない私服姿のギャップによる第三者の絶望感、違和感を無くすことが出来ます。イケてない私服姿を披露するケースとは、私服通勤、休日出勤、社員旅行、花見やBBQなどの休日の会社行事、結婚式の2次会、運動会などです。
MB氏の最速でおしゃれに見せるコーディネート指南
おしゃれは人柄や内面とか関係なく、客観的な見た目に過ぎないという主張に納得しました。野暮っい印象を無くすことが、最速でおしゃれに見せるポイントだと説いています。「兄ちゃんコンビニ行くの?」という感じを無くすことが、MB氏曰く肝心だそうです。
MB氏がおすすめしないスタイリングやアイテムをダサい、駄目、NGなどとバッサリと切り捨てていません。枕言葉を添えることでやんわりとダサい理由、駄目な理由、NG例を説明しています。嫌悪感や自分自身が否定されている感じを抱きません。
フォーマル(スーツ寄り)とカジュアル(アメカジ寄り)の比率は7:3でコーディネートするべき。日本人は欧米人と比べると童顔、胴長、短足だからフォーマルの比率を高めるべきだと説いています。おしゃれに興味がない大多数の人が履いている典型的なカジュアルアイテム「ブルージーンズ」はあまり履かない方が良いと説いています。セーターを引き合いに出すと、ローゲージニット(太い糸、網目が粗い)よりもハイゲージニット(細い糸、網目が細かい)を選択した方が、フォーマルの比率を高めることが出来ると説いています。
Iシルエット、Aシルエット、YシルエットならIシルエットが初心者向けで、上下細身のシルエットのアイテムでコーディネートすると野暮ったい印象を軽減出来ると説いています。また、スニーカーマニアのようなアイテム単体でコーディネートを考えるのではなく、トップス、ボトムス、シューズ、バッグ、アクセサリーなど全体でコーディネートを考えるべきだと説いています。
まず購入するのはアウターではなく、ボトムスから。UNIQLOのブラックスキニーデニムが最強のボトムスであると紹介しています。また、ボトムと同系色のシューズをセレクトしたほうがパッと見たときシルエットが良く見えるので、ブラックカラーのスニーカー、シューズ、ブーツ、エスパドリーユを紹介しています。
せっかく洋服を買うのだから、柄物、派手な色物を購入することはコーディネートの失敗につながると説いています。柄や色を含めてシンプル・イズ・ベストが1番だと説いています。モノトーンベース(ブラック、ホワイト、グレー)+1カラーぐらいが丁度良いそうです。ブラックカラーのアイテムを夏に着ると暑苦しい、夜の商売の人、ナルシストなんて言わせないシャツや小物を使用したコーディネート術が、本書には多数掲載されています。
ちょっとした小技でおしゃれに見せることが出来るMB氏のセンスの良さに感銘を受けることが出来ます。
・スウェットパンツはルーズシルエットではなく、テーパードシルエットまたはスリムシルエットを選択する。
・丈の短いアウターからインナーをチラ見せすることで、全体のバランスを調整することが出来る。
・リゾートに行く機会がありハーフパンツを履く時は、くるぶし丈のアンクルソックスではなく、履いているか分からないインビジブルソックスを履くと野暮ったくならない。
・ロング丈のトップスを着てウエストラインを見せないことで、視覚効果を利用して脚長効果を演出することが出来る。
・薄いソールで低い甲のスニーカーやシューズをセレクトすると、ドレス感が上がりフォーマルの比率を高めることが出来る。
・クラッチバッグはコストパフォーマンスに優れており、コーディネートのアクセント、カラーアクセントになるので利用するべき。
・3首(首、手首、足首)を見せると、コーディネートのバランスが取れるので実践すべき。
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MB氏自身によるおしゃれコーディネート50選
書籍後半のMB氏自身によるコーディネート50選は後半に連れて遊び心が増していき、MB氏のコーディネートの幅の広さを伺う事が出来ます。初めは万人向け・初心者向けのコーディネート、中盤は少しひねりを効かせたコーディネート、後半は前半・中盤を踏襲しつつ「最速でおしゃれになれるコーディネート」の世界観が崩れていない、ワンランク上のコーディネートが展開されています。
MB氏が語る現在のファッション業界と捨てるべきアイテム
アパレル業界の裏知識というかファストファッションブランド(H&M、ZARA)に押される現在のアパレル業界を優しく説明しています。「H&M、ZARA」と「UNIQLO」はファストファッションブランドとして1つのカテゴリーで語られることが多いですが、前者と後者の違いをわかりやすく説明しています。ネタバレになるのでアイテムを掲載しませんが、MB氏が指南する「捨てるべきアイテム一覧」の解説に説得力があり痛快でした(笑)。
最速でおしゃれに見せる方法を読んだ率直な感想
本書のスタイリングを実践した場合、目まぐるしく変貌するおしゃれを楽しむことは出来ないかもしれませんが、おしゃれに興味がない大多数の一般大衆がパッと見たとき、「おしゃれだなぁ~」と直感的に思わせることが出来ます。分かる人だけが分かるような、細部にこだわった、素材にこだわった、ヴィンテージな風合いなどのアイテムは紹介していません。
本書で得た知識をベースにして、自らプラスアルファすることで自分らしいファッションを形成出来ます。ただし、そのプラスアルファが「自己満足」と「奇抜な服装」という「諸刃の剣」になる可能性を秘めていることを忘れてはいけないと思いました。
via pic neqwsnet-japan, 無印良品
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